1ターン目にデモハン置く奴は初心者

タイトルのフレーズ、最近全然聞きませんよね。僕がDMを始めたころにはよく聞く言葉でした。

では、今DMをプレイしてる人たちが「初心者」なんでしょうか。そういう話です。

デモハンって言うのは除去の総称としての言葉なので1手目除去セットエンドというアクションについての考察になります。

基本的に除去を1ターン目に置くのは悪手とされていました。相手側のシステムクリーチャーやフィニッシャーに対応できなくなるからです。では何故今のプレイヤーは初手で除去をおくのでしょうか?

理由その1;潜在的アドバンテージの損失

DMでこの言葉を聞くことはあまりありませんが、他のゲームではよく聞くことがあるように思います。要するに、使用機会のないカードは紙くず同然だから2マナの時の覇はティッシュペーパーと変わらないよという理論です。

つまり、ここで言う潜在的アドバンテージの損失は相手が除去しなければいけない生き物を出さない限り除去を使うことはなく、除去を持つという行動はハンドの一枚を無いもの同然にする危険を伴うという考えのことになります。
これを意識してなくても深層的にこの理屈で除去を置いている人が非常に多いように感じます。

ではなぜ、昔のDMではこれを大きく見なかったのか。これは昔と今のゲーム性の違いからじゃないかと思います。
昔のDMのゲームスピードは非常に遅かった。
少し大袈裟に思うかも知れませんが、5tトリプルマウスでゲームがスタートしても事故と言われないようなゲームでした。
ゆっくりとしたゲームなら、一枚一枚の強力なカードに除去を合わせていくという展開は不自然じゃありません。

では、今のDMを見てみましょう。今を輝くデッキであるシューゲイザーは、フィニッシャーであるシューゲイザーをSA化して即ゲームを終わらせに行くし、他に投入されているカードも召喚時点で役割のほとんどを遂行しています。除去をあてるべき対象はエンターテイナーくらいでしょうか。
ビックマナも刃鬼や覇のようなカードはターンを渡さずにゲームを決めにきます。

つまり、今のDMでカードの役割として「フィニッシャー」を与えられたカードたちは多くの場合スピードアタッカーのような能力で相手ハンドに除去があってもしっかりとゲームを終わらせてしまいます。
昔のDMでフィニッシャーとされたカードであるロマノフⅠ世やボルメテウスホワイトドラゴンは除去を受け付けますし、ミストリエスやバキュームクロウラーのようなシステムクリーチャーも強力で対処必須でした。

まとめると、除去が利かないカードの増加+ゲームの高速化によって除去1ターン目にセットすることが増えたということになります。

理由その2;切迫化するマナ基盤

少し限定的な気もしますが、例えばドロマー超次元のようなデッキが1ターン目にエターナルガードやミスターアクアを置く理由です。
ドロマーの一般的な色構成というのを一概に決めてしまうのはよくないと思うのですが、大体は黒が25以上で青と白が10枚ちょいという色マナバランスになります。
しかも、白と青は単色が少なくタップインが多い。
それに加え昔よりだいぶ早くなってるゲームスピードですから、速やかに青と白をマナに置かなければ、青と白のカードを使える機会が減り、前述した潜在的アドバンテージを大きく失います。
そのため、ドロマーのようなデッキでは色をそろえるという1点で初手のエターナルガードをセットします。

ドロマーにおいて色マナをそろえること対除去を握ることの天秤は色マナをそろえることに大きく傾いているように見えます。

勿論、どうしても除去を握らないといけない相手(墓地ソースやイエス)相手には無理をしてでもハンドに持ちますが。

つまり、厳しい色マナ情勢から除去を置かなければいけないということですね。

ここで少し話がずれるのですが、皆さんはドロマーを使ってシューゲイザーと対戦する時にエターナルガードをセットしますか?残りのハンドは特攻、リバイヴ、コアクアンのお使い、セブコアクマンとします。

エンターティナーをどの程度の脅威と見て、エンターティナーのためにどれくらいのターンを支払えるかということなのですが。

理由その3;強いところを押しつけるデッキ

ぶん回す構築ってやつで、自分の強い動きをやれば相手は対応できないみたいな考え方です。
最高の動きに向かって突き進む以上除去は切ろうっていう考え方ですね。まあこれは毎試合除去を置くわけでもなくハンド見て置いてるだけなのでこの記事の本旨から外れるかもしれません。

他にもいろいろと理由はあるのでしょうが代表的なのはこのあたりだと思います。

僕は現環境にも除去必須級の生物はいるので初手で除去を切るのは安直だと思いますが、昔のように除去を切るだけで初心者といわれるような環境ではないようにも感じます。
あの頃は…といった風になつかしむのもいいとは思いますが、変わりゆくゲーム性を楽しむのもまた一興だと思います。

新しいカードによって新しい定石ができていくのもカードゲームの面白みの一つです。変化を楽しんでいきましょう!!